フィギュアスケート・女子FS

まだ頭が整理できていませんが、いつもどおりとりあえず感想をあげておきます。
チャンピオンズ含め今日の仕事から帰ってきてから…は無理なので出来るだけ詳しく。
まあ今日は完全に午後からなので今までよりは余裕を持って書けている筈です。多分。
細かい結果は書いていませんが以下はネタバレです。



  • 第1グループ

1番滑走の地元イタリアのフォンタナ選手はやりたいことはできたのではないでしょうか。
やはり復帰してきた選手には厳しいルールでしたが、そんな中で良く頑張ったと思います。
マックスウェル選手はジャンプがダメすぎましたね。FSに残った選手の中で最下位でした。
ジャンプ以外は雰囲気も含めて悪くないものを持っていると思うのですが。残念です。
コルピ選手はかなり緊張している感じでしたが間を取って落ち着けたようで良かったです。
ジャンプはよく頑張っていたと思います。本当に頑張って降りていた印象を受けました。
ただプログラムはちょっとイメージからずれていた気がしますね。何故でしょう。

  • 第2グループ

最初の滑走はリアシェンコ選手。今大会は本当に精彩を欠いてしまっていましたね。
良い雰囲気は出せていましたがスピンがレベルを取れていませんしジャンプもダメでした。
今年30歳になる大ベテランは五輪はこれが4大会連続の参加。怪我もあり新採点システムに
対応しきれていない感じです。さすがにもう引退となってしまうのでしょうかね。
ミラ選手は今日も元気に自分の演技ができていました。後半のコンボは頑張りましたし
ポジションの見せ方はSPよりも良かったように思います。FSもPBを更新しました。
ソコロワ選手は最初のコンボまで。ジャンプの調子は最後まで戻ってきませんでしたね。
音楽とも合いませんでしたし明らかにベストとは程遠い状態。本当に残念です。
中国のヤン・リュウ選手は繊細な雰囲気は持ち合わせていますが、スピードがなく
エッジワークもまだまだという印象。基本のスケート技術が今後の課題でしょうね。
セベスチャン選手は残念ながらせっかくのハンガリアン・ダンスに合わなかったですね。
ジャンプも最初のフリップこそ良かったですがその後は厳しい内容でした。決まれば
ルッツなどは綺麗ですしコンボで頑張りましたが上昇気流には乗せられませんでした。

  • 第3グループ

ポイキオ選手は出だしの3+2+2までは良かったのですが、その後ジャンプが乱れ始めて
後半は散々な内容になってしまいました。SPよりは良いプログラムだと思うので残念。
FSだけに限れば同国のコルピ選手より下の順位となってしまいました。
そして2番目が安藤選手。
やはりというか4Sは回転不足で転倒。その後の2つのジャンプ要素はこなせましたが
ジャンプに続く要素のCiStがレベル1で次のFCSpがSPと同様にこれまたレベル1の判定。
そしてその後は大炎上してしまいました。ジャンプは決まらずスピンもレベルを取り逃し
SpStは壁にぶつかったSPの時より低いレベル2の判定と完全に悪い流れに飲み込まれて
しまった感じ。最初は笑顔を見せていたのに最後は精神的にも疲れきっていた様子でした。
FSと総合の得点はパーソナルベストならぬワーストでした。プログラムの練りこみも不足
していたでしょうか。ちょっと考えられない得点ですね。FSで100.14点ならSPでの順位を
キープできたのですが、多少の不調ならそれくらいは出せる選手です。五輪というものの
怖さというか五輪における周囲のプレッシャーの大きさというものを改めて感じました。
荒川選手も高校生の時に出た長野は13位でしたし今回の五輪は良い経験にしてほしいです。
ちなみにFSは16位で総合15位でした。
次のヒューズ選手はループの転倒はありましたがしっかり要素はこなした感じですね。
つなぎに小技を入れていたのは好印象ですがプログラムの質はもうひとつでしょうか。
それでもSPもあわせて良い演技をしましたし大健闘だったと言えるでしょう。
マイヤー選手もジャンプのパンクはありましたがコンボは後半も含めて踏ん張りましたし、
よく頑張っていたと思います。雰囲気も良い感じでしたし得点も3桁に乗せました。
ロシェット選手は後半に3+2+2を降りるなどカナダのエースらしい演技を見せました。
3Sがシェイキーだったり直後の3Lzも失敗したりとノーミスではありませんでしたが、
それでもFSと総合でPBを更新。SP9位から総合でも5位に食い込んできました。
最後がコストナー選手。3Lzを失敗すると後半ではコスがコスであることを証明。
シークエンスに関しては判断ミスもあったと思います。良い滑走順でSP11位から大きく
順位を上げることも予想されましたが結果は総合でも9位と入賞に届かず。
地元の五輪でかなりプレッシャーがあったと思いますがその中でよく頑張ったと思います。
美点であるスピードは素晴らしいものがありましたしSlStもレベル3の評価を受けました。
まだまだ伸びていけると思います。地元選手としてEXに出場するはずなので、そちらでは
プレッシャーから解放されて良いパフォーマンスを見せてくれることを期待します。

  • 第4グループ

1番滑走はゲデバニシビリ*1選手です。長いので資料室さんはゲディと呼んでいますね。
ユーロのFSではイマイチでしたので今回は踏ん張ってほしかったのですが大炎上。
さすがに五輪の最終組は緊張したようですね。ジャンプにも結構ミスが出ました。
ザヤックルールに抵触したのも勿体無いです。序盤のコンボのセカンドに2回とも3Tを
持ってきた時に嫌な予感がしたのですが3回目の3Tがノーカウントになってしまいました。
素人考えですが、やはりタラソワコーチは新採点を理解しきれていないような気がします。
ジュニアの選手ですしセカンドにトリプルを入れてくる必要はなかったと思います。
後半なら加点のうまみもありますが最初の2つのコンボはGOEでもどちらもマイナス評価。
綺麗な3+2をしっかり入れて最後まで無理なく滑れたらもっと良かったと思うのですが。
まだ若いですしこれからに期待。評価はシニアのプログラムを滑りきれてからでしょうか。
2番滑走がSP1位のコーエン選手。
ずっと硬かった表情が演技の直前にやっと少し柔らかくなったかなと思いましたが、
やはりまだ硬かったようで最初のルッツとフリップでいきなり失敗してしまいました。
なんとか転倒は1回だけで免れましたしコンボも1回分は取り戻しましたが及ばず。
後半は頑張って立て直そうとしたあたり成長がうかがえましたしレベルも取れましたが、
やはりサーシャはサーシャでした。最終組でこんな演技は見たくなかったので残念です。
ただ今回はもしかしたら精神面だけでなく肉体的な故障もあったかもしれませんね。
それでも銀メダル。また1つ銀メダルのコレクションが増えたということになります。
そんな演技の次になった3番目が荒川選手。
五輪開会式で歌われ、かつてチャンピオンになった時に使った運命のトゥーランドット
イナバウアーはやはり少しだけでしたがそれでも盛り上がりましたし、目立ったミスも
ループのパンクだけに抑えて素晴らしい演技を披露。後半に入れた3+2+2は圧巻の一言。
全体的なスケーティングもかなり良い感じでしたし各要素の質もとても高いものでした。
五輪という大舞台に合わせてしっかりと新プログラムを仕上げてきたのは立派の一言です。
そして何よりもずっと表情が良くて伸び伸びと滑っていて、それが嬉しかったですね。
SPとFSの両方で曲を変更したことでいわれのない批判を受けたりもしましたが結果で
それに応えてみせましたね。見事な金メダルの演技は本当に素晴らしいものでしたので
スタンディングオベーションも当然だと思います。125.32というPBは歴代3位の高得点。
総合でも190台に到達したのは3人目ですが地元の大会でないのが凄いです。
4番目が村主選手。
演技後半でフリップがダブルになったり他のジャンプでも質が落ちてしまったことと、
やはりどうしてもレベルが取れなかったことは残念でしたが、とても良い演技でした。
村主ワールドを十分に表現した「らしい」演技だったと思います。前の荒川選手に続いて
スタオベをもらっていたようで、この選手にとってはそれが何よりの評価だったでしょう。
SPの時もTESとPCSであと0.5ずつでも伸ばせればと思ったのですが、現在のフィギュアで
表彰台に乗るためには各要素にもう少しレベルという名の説得力が必要なのでしょうね。
それでもFSでも4位でしたし5位以下の選手との違いは見せ付けたと言ってよいでしょう。
4位はEX圏内のはずなので前回より1つ順位を上げての2大会連続のEX出場だと思いますので
明日も期待しています。競技の時ならではの味もありますがEX向きなので楽しみです。
5番目はマイズナー選手。
3Aの回避は演技前に情報を入手してわかっていましたが3+3も試みませんでしたね。
最初のコンボは質の低いシークエンスになり、その後もギリギリでしたのでジャンプの
調子が悪かったのかもしれません。ただそれでもスポーティーな良い演技でしたし、
頑張ってまとめてきました。そのあたりは着実に経験を積めているなという感じでした。
ロシェット選手には抜かれてしまいましたがそれでもアメリカ2番手の強さは見せました。
全体の最終滑走がスルツカヤ選手。
こちらもまた表情があまり良くなかったのですが、悪い予感は当たってなんと転倒。
その前のフリップも2回転でしたし全体的に滑りが良くなかったので心配していたら…。
最後は硬いというよりもう辛そうに見えました。それでも最後まで崩れ去ることなく、
微笑みも保ち続け、女王の精神力の強さを見せてくれました。本当にお疲れ様でした。
4年間ありがとう。よく頑張りました。五輪の金メダルにはついに縁がなかったですが
最後まで試合に出続けて偉大なチャンピオンとしてこの世界を支えてくれたと思います。
これからはゆっくり休んでほしいです。今回の五輪は3位。立派な銅メダルでした。


女子もミスする選手が多発して全体としてはあまり質の高いものにはなりませんでしたが
若手の健闘やベテランの踏ん張りもありましたし、けして悪い大会でなかったと思います。
何か悪かったものがあったとしたらそれはリンクだけだったのではないでしょうか。

*1:日本のメディア表記はゲデワニシビリ