フィギュアスケート女子の展望(その2)

にわかに盛り上がってきましたね。まあこんなことは今更な話ですけどね。
しかしせっかく注目されているので後半の選手を中心にFSの展望をあげておきます。
なお前半に登場する選手に関しては前日までのエントリでかえさせていただきます。


なんと言ってもせっかくの五輪で色々なスタイルの演技が見られるわけですから、
様々なアプローチから「美しさ」を競う部分にもっと注目してもらいたいですね。
個人的な好き嫌いはあるでしょうが、結果に至る過程はけして1つではないことは
認めなければならないなと自戒を込めて思います。どんな競技もそうですが。



  • 第2グループ

いきなりリアシェンコ選手が登場したりソコロワ選手がいたりと面白いグループですが
日本人選手中心に見るという方にはここから生で視聴するのは酷でしょうか。
録画するという方は、特にこのカラーの違うベテラン2人は見てもらいたいですね。
軽いジャンプや明るい振り付けだけがフィギュアスケートの良さではないと思うので。

  • 第3グループ

1番滑走のポイキオ選手は24歳になったばかり。渡辺選手のように会場で誕生日を祝って
もらえたのでしょうか。今大会での点の出方などを見ても上位進出は厳しいですが、
優雅なスケーティングが持ち味でこういった部分にも注目ですね。
2番滑走が安藤選手。またしてもヒューズ選手の前ですが今度は圧倒する演技を期待。
今回の蝶々夫人を滑るのは最初で最後*1になるので良いパフォーマンスを期待。
どうやら4Sに挑戦するようですがまずは転倒してもきちんと回りきってほしいですね。
そうすればある程度の点は残るのでさらに順位を上げることも可能でしょう。
そしてヒューズ選手はアメリカ選手特有の会場を盛り上げるアピールがあります。
さすがヒューズ家は侮れません。得点的には未知数な部分が多いですが盛り上がりそう。
その後ユーロで良かったマイヤー選手、カナダのエースのロシェット選手と続き、
最終滑走が地元イタリアのコストナー選手。やはりというか良い位置を引いたので
上を狙ってくるでしょう。スピードが持ち味でスタイルの良さも大きな武器。
SPではダメでしたがFSではどこまで伸ばすか。自爆しなければかなり魅せてくれるはず。

  • 第4グループ

最終組の最初はゲデバニシビリ選手。一般のメディアとは表記が違いますが気にしません。
浅田(真)選手と同じ90年生まれということで一般にも取り上げられ、五輪の注目度を
再認識しました。早生まれで既に16歳、日本の学年では高校1年生にあたります。
浅田選手とはまた違った雰囲気の持ち主ですが、ユーロを見た限りプログラムの構成に
ジュニアの部分が残っているのはむしろこちら。SPでは回転不足気味ながら3+3を入れて
きましたが、世界ジュニアにも出場予定ですのでFSには大きな変化はないでしょう。*2
となると今の順位を守るのが第1目標ですね。今シーズンは失うものは何もないですし、
度胸もある方だと思いますのでSPと同じように良い雰囲気で演技してほしいです。
そして2番目にメダル争いの1人目コーエン選手が登場。
体の柔らかさとポジションの美しさが特長で観客にアピールする迫力も持っています。
相変わらずFSの特に後半に不安がありますがSPでは見事な演技を見せてくれました。
SP最終滑走だったということはありますがSPを見る限りではPCSは彼女に有利な情勢。
今回はメダル争いの3人の中で最初の登場ですが同様の評価を受けられるかどうか。
長野から続くアメリカの女子3連覇がなるかも注目です。
3番目が荒川選手。SP終了後から急に大々的に報道されるようになった元世界王者。
なんでも器用にこなす能力の高さはまさに天才。とてもバランスの取れたスケーターで、
柔軟性を生かした多彩な技と長身を生かしたスケールの大きな演技が魅力です。
共同のトリノ特集によると提出された計画に2度試みる3回転が3種類入っているのですが
記者の勘違いだと信じたいです。結構ポカをする方なのでこういう構成は危険です。
NHKでは冒頭のコンボが3+2ということでしたのでこれならルール上の問題はありません。
ただでさえ見るほうも緊張するというのに心配なことがまた増えましたよ…。
とにかく集大成として悔いの残らない演技をしてほしいです。イナバウアーも入れますし。
続けて村主選手。こちらは苦手のサルコー以外は心配していません。
公式練習ではパンクさせていましたし、このリンクはエッジジャンプには厳しい氷という
印象を受けますが、なんとかきっちり入れてほしいですね。これ以外は大丈夫そうなので。
フリーはラフマニノフでテーマは「希望の道」とのこと。全日本の再現はなるかどうか。
観客を魅了する持ち味の表現力を発揮してEXでも滑ってほしいですね。*3
5番目がキンバリー“キミー”・マイズナー選手。
SPで3+3コンボを成功させた2人のうちの1人です。トウアクセル気味ではありましたが。
今回は特にプレローテーションには甘い感じなのでFSでも3+3を試みてくるでしょう。
あとは3Aに挑戦してくるかどうか。さすがに3Aの認定に関しては4Sほどではないにせよ
甘くはないでしょうが、もし認定されればかなりのアドバンテージになります。
さすがに質の悪いジャンプでメダルというのはちょっとどうかとは思いますが。
ジュニアでは03-04シーズンから継続して表彰台近辺の成績を残し、今年の全米で2位。
まだまだ淡白ではありますが綺麗な演技をする選手で将来が楽しみな1人です。
そして最終滑走が4年前と同じスルツカヤ選手。
4年前は守りに入ってサラ・ヒューズ選手に逆転されましたが今回はどうでしょうか。
点を積み上げていく新採点では4年前と同じようなミスはしないとは思いますが。
まずは自分の演技をすること。それができればロシアの4種目制覇も見えてきそう。
今シーズンはやはり五輪に照準を絞ってきているはずですし、ミスの少ない強い選手。
新採点で有利な柔軟性を持ち、ジャンプも流れこそないもののさすがの安定感。
同じロシアのプルシェンコ選手と同様にまず要素をこなすという感じは受けますが、
ベテランらしい味わいもありますし、高い技術を持ち、女王としての貫禄も十分。
病気もありますし年齢的にもそろそろ限界。どう頑張っても最後の五輪でしょう。
北米のカルガリーで開催される世界選手権は出ないでしょうしアマ最後の演技が濃厚。
最終滑走ですし、これぞスルツカヤだという演技を見せてほしいですね。

*1:世界選手権は補欠

*2:例によって提出された演技構成の計画は調べていませんが

*3:4位までならエキシビションに参加できるはず