FIFAワールドユース2005 アルゼンチン対スペイン

準々決勝の最後の1試合は私が今大会で最も望んでいたカードです。
以下は結果を含みます。


アルゼンチン 3-1 スペイン
(アルゼンチン) 18分 サバレタ、70分 オベルマン、73分 メッシー
(スペイン) 32分 サパテル


序盤はアルゼンチンが上手にプレーしてスペインのゴール前に迫ります。
10分のメッシーのFKこそオフサイドの判定で取り消され、ヘディングも枠を外れますが、
18分にスペインの緩いマークを突いてFKに合わせたサバレタが先制点をゲット。
しかし、アルゼンチンの中盤はシンプルで確実なプレーが欠けてしまっているようで、
ミスもあり、少しずつですがスペインにペースを握られるようになってしまいました。
そしてついに32分に崩し方のお手本のようなジョレンテの完璧なポストプレーから、
飛び出してきたサパテルのシュートが決まり同点に。そのままのペースで前半終了。
後半に入り、選手交代をしたアルゼンチンでしたが中盤でのプレーは相変わらずで、
この試合ではワントップ気味のメッシーのところまでボールがいくのはごくわずか。
ポゼッションして攻めるスペインに対してひたすら耐える時間が流れます。
しかしアルゼンチンは最終ライン(特に右)が堅い守備を見せ、中盤も守備は悪くない。
スペインのトップ下であるセスクはトーレスマンマーク気味の守備などで自由にさせず、
ファンフランらのサイド攻撃にも少しずつ対応できるようになってきます。
そして耐えて迎えた70分に久しくなかったダイレクトプレーによるカウンターが一閃。
最後はメッシーから途中交代のオベルマンにわたってループで勝ち越し点をゲット。
ポゼッションしながら攻め切れなかったスペインは高い代償を払わされました。
その直後にはクリアミスによるペナルティエリアの混戦に飛び込んだメッシーが
素晴らしいボールコントロールから決定的な3点目をゲット。やってくれました。
この後カメラがロブステや交代後のジョレンテとメッシーを何度か抜いていましたが、
スペインにとっては悪夢のような時間だったでしょうね。表情が凍り付いていました。
残りの20分はスペインがなぜか前線の選手を交代したりしてあっさりと逃げ切って勝利。
アルゼンチンは準決勝でブラジルと対戦です。ブラジルにだけは負けてはいけません。
あと2勝してワールドユース優勝回数でブラジルを抜いて単独トップになってほしい。

  • メッシー

ボールが回ってこない時間帯があったりもしましたが前線で違いを見せました。
彼をワントップ気味にする配置はどうかと思いますがそれでも凄かった…。
フリーキックも認められていてもおかしくなかった素晴らしいものでしたし、
前半にもう1点取らせたかった。そうすれば4ゴールでトップと1点差になっていました。
現在2点差で得点王を取れるかは微妙ですが、この調子でがんばっていただきたい。

  • セスク

バルサでは4番だった選手ですがイニャキ・サエスイニエスタと同じトップ下での起用。
シャビ以降のバルサの4番は「中盤の底か?」と問われれば確かに微妙ではあるのですが、
3トップの左右もこなせるイニエスタよりは低いポジションの方が彼は活きるはずです。
現在所属するアーセナルでもドブレピボッテの一角としてプレーしているわけですし、
低めの位置でボールを散らすようなプレーをさせたほうが良かったのではないでしょうか。
この試合ではマンマークに自由を失って少しずつポジションが下がっていってしまい、
ポゼッションするも決定機を作れないスペインの原因の一つになってしまっていました。


時系列に沿って書かれたわかりやすいレビューはこちら↓
【ワールドユース決勝T】アルゼンチン×スペイン
      (リーベルプレート RIVER PLATE 応援サイト「襷の魂」