フィギュアスケート・女子SP

製氷中にも書いていたのでいつもよりさらに文体がおかしいかもしれませんが感想です。
今回の五輪ではここまで結果が出ていないこともあり注目されているので文章も長めです。
以下はネタバレを含みます。



  • 第1グループ

やはりマイズナー選手はしっかりと合わせてきたようで、PBを更新しました。
コンボのセカンドの回転が怪しかったですが認定された模様。いきなり59点台です。
まあ男子でも全く同じ滑走順でプルシェンコ選手が圧倒的な1位だったわけですが。
FSで最終組に入るためにはここが目安になりそうですね。その意味では高橋選手の
立ち位置であるとも言えるでしょうか。ただハードルとしてはやや高めの印象です。
回転の判定に関しては他の選手、というか日本人選手にも同じ基準でお願いしたいですね。
次のポイキオ選手は相変わらず綺麗な滑りでしたがPCSがやや厳しかったでしょうか。
そして続けてスオミの次代を担うことが期待されるコルピ選手が登場。
ジャンプのミスが痛かったですね。2+2コンボでは必要要素が満たせませんしね。
第1グループ最後のロシェット選手はジャンプでお手つきしましたがまあ良い演技。

  • 第2グループ

カナダのミラ・リオン選手はさすがの柔らかさ。演技としてはまだまだの感じですが。
柔軟性をうまく「見せる」という点では次のマックスウェル選手が良い感じでした。
まあこの選手の場合はジャンプなどその他の部分に問題があるのですが。
そして最終滑走のソコロワ選手は最初のコンボのファーストジャンプでいきなり失敗し、
その後の単独ジャンプもパンクするなど大自爆してしまいました。とても残念です。
ユーロでの好成績にピーキングを間違っているのではとも言われてしまっていましたが、
この状態ではそういわれても仕方がないですね。まあ安定感には疑問符がつく選手ですが。

  • 第3グループ

今年のユーロで話題になった新鋭ゲデバニシビリ選手。名前が言い難いので実況でも
苦労していましたね。一部では国名をとってグルジア子とかグル子とか呼ばれています。
今回はコンボに3+3を用意してきましたがギリギリ認定されましたね。素晴らしい。
その後もとても良い演技をしました。最後のスピンは特に良かったように思います。
PCSがやや低いように感じましたが、まだ若いのでこれからに期待しています。
そして安藤選手が登場。前後のプログラムと比べるとややアピールが弱いかなとも
思いましたがPCSはそれなりに出てくれました。惜しかったのはコンボでの失敗。
セカンドはダブルに切り替えるべきだったと思います。完全に回転不足で前向き着氷。
さらにバランスも崩してしまいました。GOEでは実に2点以上の減点を受けました。
またFCSpでレベルを取り逃しているのも地味に効いています。1点前後の失点でしょうか。
ゲデバニシビリ選手の下になってしまいましたが笑顔が出たのは良かった。
そして次がエミリー・ヒューズ選手。姉のサラさんが何度かカメラに抜かれていましたね。
とても元気の良い演技でアピールしていました。そのためか点数もちょっと高い印象。
これもヒューズ家の強さでしょうかね。安藤選手を上回りました。
次のセベスチャン選手はコンボで転倒。まあこれくらいは想定内ですけど…。
マイヤー選手も雰囲気は良かったですがユーロは出過ぎだったようで得点は伸びず。
格が上がって評価が良くなっているのかと思いましたがそんなことはありませんでした。

  • 第4グループ

スルツカヤ選手はさすがの演技。やや安全運転かなという気もしましたが悪くない出来。
いつも通りきっちりレベルの取れる演技ができていました。一方でPCSは全て7点台。
セーブした分だけ抑えられたかなという感じでしたが66.70は今日初めての60点台です。
次のフォンタナ選手は地元の五輪のために復帰した選手ですので少し気の毒でした。
レベル4は1つも取れず厳しい得点。FSには残れたので明後日はもう少し楽に滑ってほしい。
そして荒川選手は音楽を替えて心配されていましたが素晴らしい演技。
コンボはどうやらファーストジャンプの時点でセカンドをダブルに変更した様子でしたが、
その他の要素は完璧。なかでもスパイラルは素晴らしく高い評価を受けました。
スルツカヤ選手と僅差の66.02はパーソナルベストです。この大舞台での高得点はさすが。

  • 第5グループ

ユーロを故障で欠場して心配されたリアシェンコ選手は元気そうで安心しました。
今日はレベルが取れない上にPCSも5点台があるなど得点が伸びず残念ながら最終組前にも
残れませんでしたが、良い演技だったと思います。ちょっと低過ぎるような印象です。
そして村主選手。演技前から気合が入っていて今日はかなり期待できそうな感じ。
緊張もしているようでしたがそんな時でも硬くなりすぎないので安心できます。
ジャンプをしっかり決めてノーミス演技。スピードもあってとても良かったと思います。
シーズン後半のこの選手は本当に素晴らしいです。今日はとても安定していました。
PCSがやや低いようにも思えましたが、きっちり60点台に乗せてきて暫定3位。
もう少し点がほしかったですが、残りは2人ですのでFS最終組を確定させました。
次が地元イタリアの期待を一身に背負うコストナー選手。
少し緊張して硬くなっているかなと思っていたら最初のコンボでいきなり転倒。
コスがコスであることを証明するかのような壮絶な自爆劇でした。
練習では3+3を降りていたのに本番ではコンボにすらならないのが若さでしょうか。
やはりスピードはあり、残りの部分はそれなりに無難にこなしましたが厳しいです。
PCSは28点台を出しましたが安藤選手より下で最終組落ちでした。暫定10位。
対照的に最終滑走のコーエン選手は素晴らしい滑り。
全米選手権の時から感じていましたがこの選手は本当に強くなりましたね。
堂々たる演技で会場にもしっかりアピールできていました。勢いを感じます。
プログラムも良いものですし、衣装も会場に映えていて良い選択だったと思います。
見せ場のスパイラルはGOEで2点も獲得するなど最後に素晴らしい演技。
見事にSP1位の66.73点を出しました。本当に素晴らしいです。


これで最終組はコーエン選手、スルツカヤ選手、荒川選手、村主選手、マイズナー選手、
そしてゲデバニシビリ選手となりました。何気に地域バランスが取れていますね。
ゲデバニシビリ選手はユーロに続いてお見事です。FSは厳しいですががんばってほしい。
日本選手は2人。まあ3人全員はまず無理だと思っていたのでこんなものでしょう。
安藤選手も最終組前の8位ですからまだまだ上が狙えますし、良い演技を期待。
SPと同様に笑顔で終われるような悔いのない演技ができればと思います。
3位の荒川選手は下位とはかなりの差がありますし、すぐ後ろは村主選手ですので、
あまり順位は意識せずに力を出し切って素晴らしいトゥーランドットを見せてほしい。
4位の村主選手も村主ワールドを表現してEX圏内に残ってほしいところです。